日本人は慢性的カルシウム不足

カルシウムはやっぱり足りていない!

カルシウムが、骨を丈夫にするための大切な栄養素だということはよく知られていますが、どのくらい摂れば十分かは、はっきりと理解されていないようです。体重50㎏の人の体内にあるカルシウムは約1㎏(1000g=100万㎎)で、その99%は骨にあります。そんなに大量にあるのなら、心配せずに、通常の食事に加え、時々牛乳でも飲んでいればよいだろうとお考えかもしれません。しかし、そんなにのんびりもしていられないのです。
日本人の15歳以上のカルシウム摂取の推奨量(平均値)は、男子で730㎎、女子で650㎎です。現実的にはそれを下回り、男性で520㎎、女性で489㎎しかありません(※1)。

生命の炎 カルシウム

カルシウムは「生命の炎」ともいわれ、骨を強くするだけでなく、心臓や脳の働きを保つうえでも必要です。血液中のカルシウム濃度が低下すると、心臓は瞬く間に停止してしまいます。ですから血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、不足したときは、骨からカルシウムを必要な分だけ取り出しています。ちょうど、家計に必要なお金を銀行から引き出すようなものです。お金と同じように、カルシウムにも、どうしてもこれだけは必要というギリギリのレベルと、健康で文化的な生活を営むためのゆとりを加えたレベルがあります。680㎎というのは、ギリギリのレベルです。現代生活は予期しない出来事もストレスもあり、少しは余裕がないと安心して過ごせません。しかも、加齢とともに腸からのカルシウムの吸収力は減るので、カルシウムの必要量はさらに増加します。

(※1)厚労省 日本人の食事摂取基準(2015年) 国民健康栄養調査(2015年)