便秘薬について

便秘薬は大きく分けると、刺激性と非刺激性があります。

刺激性便秘薬は、刺激成分が腸を直接刺激して、腸の蠕動運動を促す便秘薬です。即効性の効果はありますが、急激な腹痛と便意を伴うこともあります。また刺激成分ゆえに、常用習慣性(クセになる)を引き起こし、次第に服用量が増えてしまうことや、大腸管を傷つけ、大腸粘膜症を引き起こす原因にもなります。

刺激性便秘薬の代表的な成分としては、ビサゴジルが挙げられます。またセンナ、センノシド、ダイオウ、甘草、アロエなど、これら漢方系の成分が使用されている便秘薬も刺激性に含まれます。
日本国内のドラッグストアで、多く売られているのは、刺激性便秘薬で、そのシェアは約7割にも達します。

それに対して、非刺激性便秘薬は刺激成分を含まない便秘薬です。塩類下剤といわれるものが多く、代表的なのものは酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムです。これらはマグネシウム(塩類)の浸透圧を利用して、腸に水分を集め、排便を促す便秘薬です。刺激成分を含まないので、腹痛も伴いにくく、また服用量が増えたり、クセになったりすることがないのが、大きな特徴です。そのほか、腸内細菌による麦芽糖分解で発酵ガスを発生させることによって排便を促す便秘薬もあります。

近年はこうした非刺激性便秘薬に対する注目が高まっています。