酸化マグネシウムの便秘薬はどんな効果がある?選び方をわかりやすく解説

「酸化マグネシウム」は非刺激性のため、おなかが痛くなりにくい代表的な便秘薬です。
水分を集めて自然な排便を促すため、刺激性の便秘薬に比べておなかにやさしい非刺激性のため、便秘対策に取り入れやすいのが特徴です。
ただし、便秘のタイプによっては合わないケースや副作用のリスクなど、使用上の注意点もあります。

この記事では、酸化マグネシウム薬の働きや他の便秘薬との違い、選び方や注意点までわかりやすく解説しています。
自分に合った適切な用法・用量を知っていただき、便秘を改善して、快適な毎日を送りましょう。

便秘と酸化マグネシウムの関係を知る

便秘薬には刺激性と非刺激性があります。 
その中でも酸化マグネシウムは、非刺激性であり、おなかにやさしく使いやすいのが特徴です。

酸化マグネシウムが便をやわらかくする仕組み

酸化マグネシウムは浸透圧を利用して腸の中に水分を引き込み、硬くなった便をやわらかくする働きがあります。
腸を無理に刺激して動かすのではなく、水分によって排便をスムーズにするため、自然な形で便通を改善できるのが特徴です。
おなかへの負担が少ないことから、繰り返し使いやすい便秘薬として知られています。

また、同じ酸化マグネシウムでも、粒子が大変細かい「活性酸化マグネシウム」を使った便秘薬もあります。
より多くの水を大腸に集めることができ、自然な排便が可能です。

どんな便秘に向いてる?向いてない?タイプ別の相性

酸化マグネシウムは、便が硬くなって出にくいタイプの便秘に向いています。
水分を便に含ませることでやわらかくし、スムーズに排出できるようにサポートしてくれます。
一方で、便を押し出す力が弱い方や、腸の動き自体が極端に鈍っている方には、酸化マグネシウムだけでは不十分な場合があります。
自分の便秘が「硬さ」によるものか「動きの弱さ」や「便を出す力」によるものかを見極めることが、適切に薬を選ぶうえで重要です。

酸化マグネシウム便秘薬と刺激性便秘薬との違い

便秘薬には大きく分けて、腸に水分を集めて作用する酸化マグネシウムと、腸を直接刺激して動かす刺激性便秘薬があります。

酸化マグネシウムは、非刺激性で、腸を自然な形でサポートするため、日常的な便秘対策として取り入れやすいのが特徴です。

一方、刺激性便秘薬は即効性が高い反面、長期的に使用すると刺激に対して腸が敏感になり、薬に頼りやすくなる可能性があります。

日常的に便秘対策を行うなら、刺激の少ない酸化マグネシウムは賢い選択肢の一つです。

便秘で酸化マグネシウム薬を使うときの注意点

酸化マグネシウムはおなかが痛くなりにくい便秘薬ですが、体質や使い方によっては副作用として下痢や腹痛などが出る可能性があります。

適切に使うために、起こりやすい症状や注意点を理解しておきましょう。

下痢や腹痛などの副作用が出ることがある

酸化マグネシウムは腸に水分を集めることで便をやわらかくしますが、人によっては下痢やお腹の痛みが出ることがあります。
体質によって影響の出方に違いがあるため、合わないと感じたら自己判断で続けないことが大切です。
特に腎臓に疾患のある方は、体にマグネシウムがたまりやすくなる場合があるため、必ず医師に相談したうえで使用しましょう。
症状が長引いたり強く出たりするときも、早めの受診をおすすめします。

妊娠中・授乳中・子どもに使用可能か確認

酸化マグネシウムは第3類医薬品で比較的リスクも低いお薬ですが、妊娠中に使用する場合は必ず医師の判断を受けてから服用してください。

授乳中の使用については、母乳に影響を与える可能性は少ないとされています。子どもに使用する際は年齢や体重に応じて適切な量が決められるため、自己判断での増量や大人と同じ使い方は避けましょう。

酸化マグネシウム便秘薬を選ぶときのポイント

酸化マグネシウムといっても、商品によって特徴や使いやすさに違いがあります。

自分の体質やライフスタイルに合ったものを選び、無理のないような便秘対策を続けましょう。

刺激が少なくおなかにやさしい

酸化マグネシウムは、腸を直接刺激せずに作用する非刺激性の便秘薬です。
そのため、刺激性便秘薬のように「飲むと急にお腹が痛くなる」といったリスクが少なく使えます。

おなかにやさしく、長期間にわたって服用してもクセになりにくいため、慢性的な便秘に悩む方にも向いている薬です。
毎日使う場合は、腸を無理に動かさず自然な形で便通を整えてくれる酸化マグネシウムを選びましょう。

用量調整がしやすい

酸化マグネシウム便秘薬を選ぶ際には、用量の調整がしやすいかどうかも大切なポイントです。
少ない量から始めていって、効き目が弱いなと感じたら、翌日は1錠ふやし、逆に効きすぎたなというときは1錠へらし、自分のペース・リズムで服用量を調節できるのです。

さらに錠剤タイプの中には割って使えるものもあり、体調や便秘の程度に合わせて細かく調整できるのがメリットです。
毎日の生活に取り入れる薬だからこそ、量を柔軟にコントロールできる製品を選ぶことで、服用量を調節できるため、ご自身のペースで続けやすくなります。

腸への保水力が高い

酸化マグネシウム便秘薬の特徴のひとつに「便へ水分を含ませる力」があります。
薬を選ぶときには、この働きがしっかり発揮できるか確認してください。
保水力が高いタイプなら硬い便をやわらかくしやすく、無理なく排出をサポートしてくれます。

なかでも「活性酸化マグネシウム」と呼ばれる種類は水分を集める力が強めで、水分不足から便秘になりやすい人には特におすすめです。
体質や便の状態を踏まえて、より合ったものを選ぶようにしましょう。

サプリや医薬部外品との違いを理解して選ぶ

便秘対策といっても、サプリや整腸薬、便秘薬と種類はさまざまです。

サプリは栄養を補うことが目的で、直接的な排便効果はあまり期待できません。
整腸薬などの医薬部外品は腸内環境を整える働きがありますが、即効性は弱く、軽い不調を和らげる用途に向いています。

これに対して酸化マグネシウムを含む第3類医薬品などの便秘薬は、硬い便をやわらかくして排出を促す作用があり、症状の改善や治療をすることを目的に使われます。

しっかり便秘を解消したいときは、医薬品を選ぶようにしましょう。

便秘薬と酸化マグネシウムに関するよくある質問

便秘薬を飲んでからどれくらいで効果が出ますか?

酸化マグネシウムの便秘薬は、飲んでから8〜12時間ほどで効果が出ることが多いです。夜に服用して翌朝に排便があるケースが一般的になります。ただし薬の種類や体質によって差があるため、あくまで目安として考えてください。

処方薬と市販薬にはどんな違いがあるのでしょうか?

酸化マグネシウムは処方薬としても市販薬としても使われており、成分は同じです。

飲んでも効かないときはどうすればいいですか?

酸化マグネシウムを飲んでも効果が感じられない場合、自己判断で量を増やすのは避けましょう。

まずは水分や食物繊維の摂取、生活習慣の見直しを行い、それでも改善しないときは医師に相談してください。

長期使用しても大丈夫ですか?

酸化マグネシウムは腸を刺激しないタイプの便秘薬で、習慣性がほとんどないとされています。
ただし、長期にわたって使用する場合は医師に相談し、自己判断で続けるのは避けましょう。
便の状態や体調の変化を確認しながら経過を見守り、必要に応じて用量を見直すことが大切です。

まとめ

自分に合った酸化マグネシウム便秘薬で毎日を

酸化マグネシウムは腸に水分を集め、硬くなった便をやわらかくすることで自然な排便をサポートしてくれます。

刺激が少なく続けやすいため、毎日の便秘対策として取り入れやすいのが魅力です。

食事や生活習慣だけでは改善しにくいときには、負担の少ない酸化マグネシウム便秘薬を使ってみてください。

ミネラル成分の便秘薬ですので、おなかが痛くなりにくく、用法・用量を遵守すれば、一般的に5歳頃から服用できるものもあります。

無理なく便秘を改善し、快適な毎日を送りましょう。

監修

仕垣幸太郎 先生

大浜第一病院 大腸肛門外科部長
医学博士、日本大腸肛門病学会専門医・指導医、日本肛門機能障害研究会会員 福島県立医科大学大学院卒業。
東京山手メディカルセンター(旧社会保険中央総合病院)大腸肛門病センターで肛門疾患・排便障害の経験を積む。
以降,10年以上にわたり重症便秘症、便失禁などの排便障害診療にあたっている。
総合病院だけではなく、介護・在宅の現場での排便の問題に現場での指導やセミナーという形で取り組んでいる。